介護保険部会の活動報告

介護保険部会の活動報告

活動の中心は、平成12年7月から開始した草加市より指定された「在宅介護相談薬局・薬店」の活動です。
平成15年9月24日(水)「相談薬局・薬店・支援センター連絡会議」が行われました。

相談薬局・薬店・支援センター連絡会議

薬局・薬店が街角の在宅介護相談薬局であるという自覚から対応し、支援が必要な方は市内10個所にある支援センターと連携することによって、地域の目となって、多くの高齢者を見守れるようにしたい。

草加市長寿福祉会からの報告

ある薬局からの高齢者に対する対応から、薬局は情報が集まるところだということがわかった。また、薬局がその情報を活かして在宅介護支援センターとの連携がより多くの高齢者を見守ることになり、草加市高齢者プランの地域に根ざした高齢者福祉を目的にもしているのでその実践につながると良い。

草加市薬剤師会からの報告

調剤ができる保険薬局では、「薬剤服用歴管理指導簿」を使用し患者さんとの対話に活用している。これを踏まえて高齢者の見守りに活用していけたらよいと思う。

在宅介護支援センターからの報告

在宅介護支援センターの役割と機能が説明された。

事例報告

薬局と在宅介護支援センターから事例の発表があった。別記の通り。

地域ごとに分かれて話し合い

7グループに分かれて話し合いをした。自己紹介、訪問薬剤管理指導、薬歴での薬の管理、双方の連携の持ち方、民生委員とのネットワーク、その他様々な話し合いが持たれた。

 

薬局の事例発表(一部抜粋)

1:年齢、家庭環境、病気等と薬のコンプライアンス

女性 大正生まれ 80歳後半、一人暮らし、ほとんど毎日一人暮らしの時間が長い。
家事は、自分でやっている。ときどき物忘れも多いので火気の取り扱いが心配である。また、栄養のとり方バランスも気にかかる。
疾病に関しては、血圧、心臓、糖尿、コレステロール、めまい、白内障等に関する疾病がある。薬は8種類ほど服用しており、飲み忘れ等コンプライアンスに問題あり、早くから薬の一包化をして飲みやすくしているが、ときどき薬局に電話で薬が足りないとか多いとか問い合わせが多い。 

2:在宅を訪問するきっかけ

薬局内で、高齢等のためにコンプライアンスの悪い患者さんのカンファレンスを行っている中で、薬を一包化し、その袋の表に日付を書き、服用時点もわかる一週間ごとのカレンダーを作成することにし実施した。また在宅を視野に入れて、一度自宅に訪問して薬の管理状態などを調べる必要があるとの話し合いをしていた。 

3:患者さんからのシグナル

そしてある時、患者さんから「このまま死んでしまうかも」と気持ちが落ち込んだ様子で電話が入りました。 そして在宅介護相談薬局の指定を草加市から受けていることから、市役所の長寿福祉課に問い合わせ老人の一人暮らしに対する市のサービスがないか確認したところ、そういった場合のサービスは有るとの返事を頂きました。その結果、長寿福祉課からお二人、患者さん宅へ訪問することとなった。 

4:市と支援センターと薬局の地域連携

その結果、数ヶ月入浴せず、めまいが怖くて一人で入浴できないでいる。食事は一応とっているが料理は得意ではない、したがって食事介助、入浴介助の必要があるので、週1回くらいデイ・サービスを利用されたらどうでしょうかと話してきたとの事でした。 

5:薬局が窓口となって独居老人を継続して見守ることの重要性

その後月に一度くらい支援センターと連絡しあって様子を報告しています。1週間か2週間おきにかかりつけ医に受診している為、薬局に薬をもらいに来る度に日常の様子を聞いています。しかし、7月の初旬に2週間分の薬を渡して以来、8月の夏休み明けになっても薬局に来ていないのでおかしいなと朝のカンファレンスで皆気にしていた。 

6:再度、市と支援センターと薬局の地域連携

そしてご自宅に行く機会がありましたので、直接お聞きしたところ、体調が悪いと自分でわかっていても、かかりつけ医に1ヶ月以上受診しなかったり、治療のための薬を飲まず、健康食品を薬だと思って飲んでいた事、人に騙されやすい独居老人の相談相手がしばらくいなかった、ということがわかりました。早速、市の長寿福祉課に薬局から連絡をとったところ、以前に比べ新しい問題も含んでいる可能性があるので、長寿福祉課と支援センターのお二人が私どもと一緒に患者さん宅へ行くことになりました。

7:高齢者特有の心理

医者に受診するには、前の日にお風呂に入り体をきれいにしなくては医者に申し訳ない。白内障の診断で手術を勧められているが手術は怖いので眼科を受診するのは嫌だ。公的介護保険のような制度を利用することは、国に世話になる事であり抵抗がある。 どうやら以上のことが心理的に作用して、受診することに戸惑ったり、ディ・ケア等の介護保険を利用する事に抵抗があったようです。

8:高齢者には時間を掛けて説明説得が必要である

高齢者は、人に迷惑を掛けたくないという固定観念が強い場合があります。しかしここはじっくり高齢者の話を聞いてみて、どうして抵抗するのかその心理を解きほぐしながら時間を掛けて納得するまで説明する事が肝要だと思います。
今回、市と支援センターと薬局との連携の結果、翌々日に今まで受診していた、かかりつけ医に検査してもらう事に同意しました。介護保険の手続きにはまだ抵抗がありましたので、とりあえず市のほうから自費の400円であるが1日1回食事をお届けしましょうか。というお誘いにも同意いたしました。このことにより一人いる時間が多くめまいで倒れていたりしては困りますので、一日一回誰かが食事を届けて見に行く事で様子をうかがうことも出来るようになりました。また、栄養のバランスも心配でしたのでよい結果となったと思います。

9:最終的に、独居老人を見守るキーパーソンは誰か

私たちのこうした連携の中で、近くにいらっしゃる身内の方が翌々日の受診に付き添ってきてくれました。その帰りに薬局に立ち寄ってくれましたので、この機会に介護相談薬局の指定されている趣旨や介護保険のシステムについて理解をしていただきました。 私たちの市と支援センターと薬局との連携で、身内の方が出てきてくれて、私たちの行動を理解してくれた上で動いてくれた事は大きな成果であったと思います。 この方がこれから起こると思われる様々な問題を解決する為のキーパーソンになるに間違いがないと確信いたしました。

10:いわゆる独居老人がかかわる社会の接点は、街角の介護相談薬局の窓口から

このことによりいわゆる独居老人といわれている人たちが、ディ・ケア等に通い、絶えず社会とのかかわりをもちながら、一人で心配し不安な毎日を過ごすことなく、新しい仲間と交流し、新しい価値観を持った生活が出来るようになればと願っています。 そして私たち薬局がこうした高齢者がいつでも気楽に立ち寄れていつでも相談を受けられる窓口としての介護相談薬局になれればよいと思います。